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出会いへの欲求

交際5年で彼はどんどん料理の腕をあげ、バスケよりは柔道の似合う身体にみるみる変貌していった。 毎日のように彼と会うようになって、数週間がたった頃。
夜、大学や宿舎から少し離れた公園に、星を見に行こうと約束した。 私たちの大学、T大はとにかくキャンパスが広い。
大学のそばでもそれほど明かりがないので、わざわざ遠出する必要もないのだが、そこは青春しているカップルである。 遠出をすればするほど、なぜか燃え上がるような気がするのだ。

が、燃え上がっていたのは、私だけだった。 小高い丘の芝生の上。
ゴロンと横になりながら、私は、ふと、尋ねた。 「私たち、つきあってるんだよね?」まさか鈍い反応が返ってくるとは思わず、私は軽い気持ちだった。
「う〜ん、そういうことになるのかなあ……」意外にも、彼の歯切れは悪かった。 「そういうことだと、困ることがあるの?」「好きなのはキミじゃない」「なんで」「なんでって聞かれても」彼の気になるお相手は、私の宿舎のすぐそばの住人で、私も好感を持っている女性であった。
彼女は私とは違って背が高く、私より真剣にスポーツに取り組んでいる活動的なタイプだった。 彼が気になる、というのも納得できる。
私たちは、その時、すでに公認のカップルになりかけていた。 T大は世間が狭い大学である。

○○クンと△△チャンがつきあっているというウワサは、本人たちに自覚さえない間に広まってしまう。 その結果として、ウワサになった当人以外の登場人物は、ササササーッと波が引くように劇場から姿を消し、舞台の上には2人ぽっちで取り残されることになるのだ。
望むと望まないとにかかわらず、すでに私たちも、そういう状況に追い込まれていた。

出会い系ってなかなかですよ。出会い方の定番として根強い人気があります。